活動レポート:2013年度

 
 

親と子の美術教室「ふしぎな回転ゴマを作ろう!」


内容:木の板を電動糸のこで自由な形に切り、様々な色を塗って組み合わせ、回して遊ぶと、思いもよらない色と形が浮かんでくるコマを作ります。
日時:2013年5月5日(日) 10:00~15:00
対象:小学生とその親10組程度
講師:古川英樹氏(日本おもちゃ会議会員)

 はじめに見本のコマをまわして見せて、回転する様子を見てから以下の手順でコマを作った。

①薄い板(15×15×0.3cm)を電動糸鋸で自由な形に細かく切り、紙やすりをかけてささくれをとり、色を塗る。
   

②厚い板(15×15×0.9cm)を電動糸鋸で一つの円盤に切り、紙やすりをかけてささくれをとり色を塗る。
   

③組み合わせた板をテープでとめ重心をみて、ドリルで穴を空ける。円盤にも穴をあける。いずれも直径0.9cmのドリルを使用。
   

④円盤に内径0.9cm、外径1.9cmの木製の輪、それに組み合わせた板を重ねて、直径0.9cm、長さ15cmの木の棒をさしこみ、組み立て、木工ボンドて接着して完成。(午前中と午後に一個ずつ作った。)
 

⑤できあがったコマを回してみて、円盤と板の位置を微妙にずらしてみたり、調整しながら軸がぶれずに長く回るよう工夫した。






 普通のコマとちがって不定形な形なので、安定した長い回転を得るのは難しいが、少し不安定であるがゆえに、予測できないような回転の動きや、色を塗って重ねられた板が回転した時に見せる立体的な色の見え方など、実際にまわしてみないとわからないところが楽しめるものだった。(久慈伸一)
 

実技講座「シルクスクリーンによるデザイン」


内容:紙だけでなく布、ガラス、金属、木、その他様々な素材に手軽に印刷できる版画技法シルクスクリーンで、Tシャツやハンカチなどに、自由にデザインした図柄(B4判大:25.7×36.4cm程度)をプリントします。
日時:2013年6月1日(土)、1日(日)、8日(土)、9日(日)、15日(土)、16日(日)
   *6回連続 各回とも13:30~16:30
対象:一般初心者15名程度
講師:菅野朝宏氏(福島成蹊高等学校教諭)

 シルクスクリーンは孔版の一種でアルミや木の枠に貼った絹や化学繊維で出来た網の目状のスクリーンの目をなんらかの方法で塞いで絵柄を作り、スクリーンの布目を通して絵具を紙や布などに刷りとる版画技法である。
 今回は最も汎用性がある感光法で制作した。感光法は感光乳剤の光が当たった部分は水に溶けずに残り、光が当たらない部文は水に溶けてなくなる性質を応用した技法で、光が当たる部分と当たらない部分を作って絵柄にする。
 版画は手順にとらわれると面倒に感じるので、まず最初の2日間は一版による作品の制作を以下の手順で行った。

【感光による版作りの工程】
①デザインを考え、B4判の紙に鉛筆で描き、コピーして極細のマジックで線を起こし原稿にする。
②出来た原稿を第二原図紙(建築で使われる普通のトレーシングペーパーより透明度が高い)にコピーする。
 ※直接第二原図紙にマジックで描いても良い。
③スクリーン(46×61cmのアルミ枠に150メッシュのテトロン?を貼った)に感光乳剤を専用のステンレス製のバケットに入れて塗布し、乾かす。(すぐに使わない場合は、光が当たらない場所や黒のゴミ袋などに入れて遮光しておく。)
④乳剤を塗布したスクリーンに第二原図紙の原稿を密着させ、50秒~1分感光器で感光させる。
 ※感光時間は、使用する乳剤や感光器により異なるので予めテストしておく必要がある。図柄が出なければ感光のしすぎ、図柄が壊れれば感光不足となる。
⑤感光したスクリーンをシャワーの付いたホースで水洗いし、絵柄を抜く。

   
デザインを描き第二原図にコピーし、観光させ水洗いして版の完成。

【刷りの工程】
①感光した版のまわりと枠との隙間をテープ(ビニール製の幅広粘着テープ等)で留める。
②刷り器にスクリーン枠を固定し、刷り紙を置く紙の位置を「カギ見当」と「引きつけ見当」で決める。(カギ見当:紙の角を合わせるために紙の側辺と底辺をマークする印。引きつけ見当:紙の底辺の水平方向をマークする印。どちらもテープなどを貼って作る。)
③紙を枠の下にセットし水性インクをスクリーンの枠にのせスキージ(刷り用のヘラ)で刷りとる。スキージは垂直よりやや刷り方向に傾けて刷る。
 ※スクリーンに残留している余分な感光乳剤を取り除くための捨て刷りをしてから、正式の刷りに入る。

   
刷り紙をセットしてインクを盛り、スキージで刷り取る。

  

 第3日目以降は多色刷りにおいて版を重ねてできる色についての説明のあと、上記と同様の手順で3版による多色刷りの製版と刷りを、B4版の画用紙、書道半紙、色画用紙、Tシャツ、エプロンなど素材を選択し、各自の計画に基づいて行った。
 最終日、合評会のあと、まとめとして、シルクスクリーンの特性について「べた刷り」「版を重ねやすい」「コントラストの強弱による表現に適している」「コピーによる拡大、縮小で作品の大きさを自由に出来る」ことや、応用例について「キャンバスに印刷して絵のような作品にする」「版画や絵、工芸の下絵などに使う」「感光器がない場合、ガラス窓に90秒くらい押しつけて感光できる」などが話され講座を終えた。(久慈伸一)

合評会

  
  
  
  
 

一日創作教室「金属で作る彫刻&オブジェ」


内容:金色の真鍮(しんちゅう)や銅など、金属の薄い板や針金、金網などをハンダで接着して組み立て、部屋に飾れる小さな彫刻やオブジェを作ります。
日時:2013年6月30日(日) 10:00~16:00
対象:一般12名程度
講師:久慈伸一(当館専門学芸員)

 
 はじめに、受講者がアイディアを考えて来たかどうかをざっと確認してから、常設展示されている建畠覚造の「さ傘」、佐藤忠良の「ジャコビン」「若い女・シャツ」、マリソールの「ママと私」、エミリオ・グレコの「スケートをする女」など様々な彫刻の制作上のポイント、見所について話した。

 

 次に金属板をヘラで筋を入れて折り曲げる方法、金属ばさみによる切断の方法、ハンダによる金属の接着の仕方などを実演した。今回のハンダづけでは、ハンダごて(250℃~350℃)でハンダ(スズが63%、鉛47%の合金で融点は183℃)を溶かし金属と金属の間で固着させ金属を接合した。使ったハンダは脂入りハンダでフラックス(金属面にハンダのつきをよくする松脂が成分の薬液)を糸状のハンダの中空部分に詰め込んだものである。
 以上ハンダ付けの一般的な説明のほかに、ハンダそのものより金属に熱を伝えてしまって、ハンダがなかなか溶けないという不具合のほか、溶けて固まったハンダは1分程度は高温のままなのであわてて触れないようにすること、ハンダが熱せられたときにフラックスが沸騰して飛び散ることもあるので手袋をしたり眼鏡やゴーグルを付けたほうが安全であることなど、作業に伴う様々な注意点、留意点について話した。
 次いで金属板の特性をどう生かすかを考えながら、大まかなアイディアスケッチをして制作に入った。

   
ハンダ付けや金属用のはさみなどを用いて制作をすすめる。

 意図や方向が決まらない人には制作例を紹介したり、アイデイアをシミュレーションしながらすすめていった。ちなみに今回用意した金属板は厚さ0.2mmと0.1mmの真鍮板(銅と亜鉛の合金、銅65%、亜鉛35%が一般的、融点は850℃~900℃)と0.2mmの銅板(それぞれ大きさは300×365mm)で主に0.2mmの真鍮板を使った。今までの経験から、この厚さが扱いやすい。0.1mmのものは普通のはさみで切れ、小学生でも紙のように扱えるが、金属的な雰囲気を出すのには物足りない。また直径1mm程度の真鍮の棒も何本か用意し、線的な表現も可能にした。
 作品を単体としてだけではなく、真鍮の板の上に置いたり、真鍮の板を背景にするなど金属ならではの効果を試しながら作品を完成させた。(久慈伸一)

   
   
  
   
  
  
  
 

実技講座「墨と和紙の出会い」


内容:厚手の手漉き和紙に墨を沁み込ませながら描いたり、にじみ止めをしてから描くことで、和紙と墨の様々な効果を発見します。自分の技法を発見しましょう。スケッチや自由な下絵をもとにして発明した技法を試みながら、F6号(41.0×31.8㎝)の作品として表現します。
日時:2013年8月31日(土) 、9月1日(日)、7日(土)、8日(日) 10:00~15:30
   *4回連続、土曜日:13:30~16:30、日曜日:10:00~15:30
対象:一般15名程度
講師:浅見貴子氏(画家)

 初日のはじめに講師自身の制作について、生の和紙に墨でそのまま描くこと、あるいはにじみ止めのドーサ(膠液に明礬を加え水で溶いた液)を紙に塗って描くことや、紙の表側と裏側を使って描いたり、裏側に銀箔を貼って描くことなど、様々な描画方法の話がされ、また、横山大観が福井で新しい大作用の厚い越前和紙を作らせたことで江戸時代にはできなかった、厚塗りや大画面の描き方が可能になったことが話された。          
 次に下準備として、最終的に和紙に描いた作品をパネル仕立てにする際、作品にパネルの木質から出る成分の影響を避けるため木製のパネルに障子紙を下貼りした。あらかじめうすく水で溶いたヤマトのり(シャンプーの感じの濃度)を塗っておいたパネルに、うすめたヤマトのり(トマトジュースの感じの濃度)を障子紙全面に塗ってパネルに貼り付け、縁にあたる部分は濃いめに溶いたのりで接着した。

   
うすく水で溶いたヤマトのりをパネルに塗る。   うすめたヤマトのりを障子紙全面に塗る。

  
障子紙を定規で持ち上げながらパネルに貼る。

  
しわができないように刷毛でならしながら貼り、縁や角を処理して裏側まで貼って出来上がり。

 2日目は和紙を使った制作のウォーミングアップとして障子紙に試し描きをした。絵具として、擦り立ての墨、アクリル系の透明メディウム・アートグルー(膠の代わり)を混ぜ水で溶いた白色の面胡粉(重質炭酸カルシウム)と紙のにじみを止めるアクアガード*(ドーサの代わり)を用いて、基底材である紙の白をベースにしながら作り出される白と黒の様々な効果を試してみた。
 次にスケッチをしてから障子紙による試し描きと同じ材料で和紙を使って制作に入り3日目も継続して制作した。
 4日目は引き続き制作し、完成させた後、作品の強度を保ち、水から守るためにアクアガードを2倍にうすめたものを作品の表面に塗り、乾燥させ、障子紙を下張りしたパネルの側面にヤマトのりを塗ったところに作品を接着して袋貼りにした。
*アクアガード:絵具屋三吉(神奈川県横浜市の画材店)で販売している、画用メデイウムの商品名。

  
うすめたアクアガードを作品に塗り、のりでパネルに貼って完成。

 作品を1点ずつ講評したあと、希望者と若冲展を解説を交えながら見て終了した。(久慈伸一)

合評会

  
  
  
  
   
 

技法講座「サイエンティフィック・イラストレーションの世界」


内容:昆虫や植物の図鑑など自然を精確に理解するために描かれてきたサイエンティフィック・イラストレーションの世界を講義と顕微鏡での観察描画の体験を通じて楽しみます。
日時:2013年10月12日(土) 13:30~16:30、13日(日) 10:00~15:30 *2日連続
対象:一般16名程度
講師:木村政司氏(日本大学芸術学部教授)

《第1日目》
 講座のはじめに、サイエンティフィック・イラストレーションの目的や歴史、欧米と、日本における現状の違いが話された。
 絵としての美しさではなく、科学として精確か否かが求められるサイエンティフィック・イラストレーション。
 スミソニアン博物館などアメリカの自然史系博物館には、真理を探求する目的で、科学者と共同のもと、動植物など自然の精緻な視覚表現としての、サイエンティフィック・イラストレーションを描く専門職がある。従事している人はサイエンスの通訳者として医師と同等の待遇を得ているが、残念ながら日本ではアメリカのようなシステムは確立されていないという。
 続いて、講師がスミソニアン博物館で描いた昆虫のサイエンティフィック・イラストレーションがスライドで紹介された。
 
 スライドのあと、顕微鏡で昆虫の標本や鉛筆の芯の先を観察。
 
 続いて明日の準備として、鉛筆の芯を長く細く、これ以上削ったら折れるような感覚で削った。これは精緻なイラストレーションを描くため、鉛筆の芯が一定の線の太さを保てるようするためである。
 
 また、対象を観察して実際にどのようなイラストを描くのか、講師が昆虫を観察して精確な線で描いたイラストが紹介され一日目を終えた。
 
 

《第2日目》
 昆虫を描くのは難しいので、講師が準備した植物(植物が合わない人は貝を描いてもよい)を鉛筆で原寸大に定規で計りながらトレーシングペーパーに精確に描いた。

 
描きたい対象は自由に選んで描く。

  
定規ではかったり、方眼目盛りのついたシートの上において描く。



 描く方向、光の方向・角度を考えながら、自然のありのままを、虫食いなども逃さずに、外形の形だけを、一定の線で描き、余白には5cmの目盛りを記しておいた。
 トレーシングペーパーを使うのは、形の線を精確なものに整理していくことが目的で、最終的なものではない。誤ったものをいちいち消すことなく、正しいものを描き加える感覚で行う。2〜3枚描いて、別なトレペに合成してもかまわない。
 いかに細部まで精確にとらえるかが目的なので講師の木村氏は対象をすぐに描かないで、2週間くらい眺めて、記憶にとどめる作業をしてから描くという。
 トレーシングペーパーに描いたものは以下の要領でケント紙に写して正式なものにした。
 予め、トレーシングペーパーの裏から、表の線描した部分を中心に芯の幅広い鉛筆で塗り込む。塗り込んだ部分を布でこすり、均一にぼかし、裏返してケント紙の上において、細い鉛筆でなぞって線を写し、その線をしっかりと描き起こして完成させた。

   
芯の幅広い鉛筆でトレペの裏から塗り、布でぼかす。裏返して線をなぞってケント紙に写す。

 

 研究システムの一翼を担いながら、既知の科学的知見を総動員して対象を深く観察し、一定のルールや方法論に基づく客観的表現で、後世の新たな発見に繋げることをも視野に入れた、サイエンティフィック・イラストレーション。その使命・役割とそれを支える精神が理解できる体験だった。(久慈伸一)
 

技法講座「自分で漉いた和紙を素材にした絵画制作」


内容:日本の伝統的な和紙の素材、楮(コウゾ)を使って和紙を漉き、それを素材にイメージをふくらませて絵画を制作します。
日時:2013年11月9日(土) 13:30~16:30、10日(日) 10:00~15:30 *2日連続
対象:一般12名程度
講師:小原馨氏(造形作家)

以下の手順で和紙を漉き、様々な素材を用いて1枚の絵を制作した。

1. 漉き枠セット作り
 F6号のキャンバス木枠を2枚用意し、1枚はそのままで、もう1枚には同じ大きさに切った網戸用の網をガンタッカーで張る。また枠の大きさに寒冷紗を切って漉いた紙を受ける布にする。

2. 色のついた和紙素材作り
 日本画の水干絵の具5色(青草、黒、古代朱、黄土、群青)を乳鉢ですりつぶしたものを水で溶いて、和紙の素材コウゾにまぜる。そこに「ねり」(紙を漉くときに繊維どうしがダマにならないよう水に混ぜるトロロアオイという植物から作った粘液、今回は「ねり」の代わりにアクリパーツという市販の代用品を使用)を入れ、ミキサーにかけ、よく撹拌する。
   

3.無地の紙を漉く
 コウゾの繊維に適量の水をミキサーにかけたものをバットのような容器に入れ、アクリパーツを入れて撹拌した和紙の紙料を寒冷紗を挟んだ漉き枠で漉いて、ベースとなる無地の和紙を漉く。
   

4.無地の和紙をベースに創作
 ベースとなる無地の和紙の上に、各自のイメージをもとに、描画する感覚で色のついた紙料のほか、木の葉や糸、などの材料をのせて、上から水を多めにした薄い紙料を漉き込んだ。漉いた紙は布でよく水分を取ってからベニヤ板の上においてアイロンをかけ乾燥させ、必要に応じて絵の具で描画を加えるなどして完成させた。
   
   
  

 使用する素材や漉き込むときの細かな工夫で様々な色彩とマチエールによる作品が出来上がった。(久慈伸一)

   
   
   
  
 

一日創作教室「超軽量紙粘土で作る~かるがる彫刻のレシピ」


内容:超軽量紙粘土は、〈軽さ〉〈乾きのはやさ〉で、重力から解放された造形が楽しめる素材です。金網や発泡スチロールを心材に使うと応用は広がります。人間、動物、仮面、風景ほか自由なテーマで素材の可能性を探ります。
日時:2013年12月8日(日) 10:00~16:00
対象:高校生から一般まで10名程度
講師:久慈伸一(当館専門学芸員)

 

 超軽量紙粘土は新しい粘土であるが現在、文房具店、100円ショップ等どこでも手に入る。この粘土は従来の紙粘土の半分以下の重さということから、心材に発泡スチロール、アルミの針金、金網等、なんでも使え、また、普通の紙粘土に比べパルプの繊維のひっかかりが少ないため比較的ストレスなく成形が可能だ。
 今回の講座は2010年におこなった「超軽量紙粘土で作る」の2回目となる。前回はこの粘土の手軽で便利な点を体験することをメインな目的とした。今回は心材を使うことでより造形の可能性を広げることを課題とした。 
 はじめにB3判のポスターの裏側に鉛筆でウォーミングアップの自由なストロークによる思いつきのアイディアスケッチをした。その際、彫刻のデッサンは立体のイメージ、空間的な構想をするための設計図、ラフスケッチ、メモとして絵画的にまとめる必要がないことを強調した。
 次に美術館に展示してある佐藤朝山、マリソール、マリー二やエミリオ・グレコ、林範親の彫刻をそれぞれのポイントをおさえて鑑賞した。予め用意した、金網と発泡スチロールを心材にした作例を参考に示し、粘土に実際ふれてみてから、改めてアイデアスケッチをして制作に入った。

 参加者は各自の構想をもとに、鉄やアルミの針金、金網、発泡スチロール、ペットボトル、竹ひごなど、使う心材を個別に相談しながら制作をすすめた。心材の扱いについて、従来の重い粘土を使う場合は、粘土の重量に耐える彫刻の強靱な支持体として構築するという発想があった。一方、超軽量粘土を使う場合は、粘土が乾いて形態を保持できるまでの間、補強的役割を果たす支持体として扱う発想で制作に取り組める。
 重力の影響を免れて、自由に形を作れるということが、塑像制作の可能性を拡張する大きな要素であることが改めてわかった。従来の彫塑粘土のような、タッチを忠実に再現する性能を軽量粘土で実現できれば、素材への信頼性が高まってゆくと思われる。(久慈伸一)

   
針金や発泡スチロールを土台に粘土をつける。

  
 

    
プラスチックの容器を土台に。

   
発泡スチロールを芯に。    ボトルを土台に。

  
角材を土台に。

  
金網を土台に。
 

親と子の美術教室「親子おもちゃ作家養成講座」


内容:紙コップや紙皿などを使ってフリスビーのほか、珍しくて面白い、いろいろなおもちゃを作ります。最後に参加者には楽しい認定書を発行して終わります。
日時:2013年12月22日(日) 10:00~15:00
対象:小学生の親子10組程度
講師:芳賀哲氏(仙台手作りおもちゃ研究所主宰)

 参加者の出席を取って、一人ずつ自己紹介した後、西巻かやこの絵本『私のワンピース』『黒いとんかち』を講師が朗読して教室が始まった。
 続いて、「なににみえる?」という問いかけとシルエット形が描かれた紙を見せて、シルエットの中身を明かす絵を見せる紙芝居をし、受講者もオリジナルのものを作って発表した。

   
    
  

 次に色紙と色鉛筆でゆきだるまを描き台紙に貼付けて、立てて完成。

    
   

 続いて、フリスビー作り。画用紙に直径19cmの円の内側に直径16cmの円を描き、そこに絵を描いてはさみで切り取る。円の周囲に1.5cmの切り込みを入れて折り、1.5cm幅の帯を両面テープで貼りつけ、直径16cmの円形の台紙を裏に貼りつけて完成。飛ばして遊んだ。

   
絵を描いたり紙を貼りつける。                          周りに切り込みを入れる。    

   
          帯を巻いてできあがり。

   

 さらに、アライグマのぬいぐるみを使ったパフォーマンスと絵本の朗読で午前の部を終了。
 午後は、長新太の『へんなおにぎり』の朗読の後、はじめ画用紙で作った羽根をストローの支柱を上下させて羽ばたかせるおもちゃを作った。

    

 次に牛乳パックとストローを使った竹とんぼを作ってあそんだ。牛乳パックを幅2cm×長さ20cm程度に切ったものにカラーテープで模様をつけ、半分に折り、切り込みを入れたストローの先にはさんでホッチキスでとめ、羽根をプロペラのような角度をつけて折り込んで出来上がり。ストローを両手ではさんで回転させ飛ばした。
 最後に子供一人ずつおもちゃ作家の認定書を授与して教室を終わった。(久慈伸一)

   
  
 

実技講座「ガラス絵の魅力」


内容:板ガラスの裏側から油絵の具などで彩色し、表から鑑賞するガラス絵は、ヨーロッパで生まれ、日本には江戸時代、長崎を経由してオランダ人によって伝えられました。講座ではガラス絵の歴史や技法についてスライドを使った話をまじえ、ガラス絵の制作を基礎から体験します。
日時:2014年2月15日(土)、16日(日)、22日(土)、23日(日) 10:00~16:00 *4回連続
対象:一般12名程度
講師:児玉房子氏(ガラス絵作家)

児玉房子氏作品

 第一日目と第二日目は、以下の手順でガラス絵による自画像を制作した。
1.下準備として、サムホール(227×158mm)大のガラス板の淵に9mm幅のマスキングテープで縁取り、枠を作る。枠を作ったガラス板を、下絵の紙の上に置き、淵を鉛筆でなぞって、画面の縁を描く。

  
マスキングテープ。         ガラスの縁に巻き、外側を鉛筆でなぞり、下絵の枠の線を紙に写す。

2.鏡を見ながら、画面の大きさに下絵を描く。サインは逆文字で入れる。

  
下絵を描く。

※普通は、下絵を描いた後、トレーシングペーパーとカーボン紙を使って、下絵の左右を反転させる。ただし自画像の場合、下絵は反転させない。元来ガラスの裏面から描くガラス絵は、下絵を反転させるのが普通である。自画像においては、鏡の中で反転した像を描いているという特殊な事情から、そのままを下絵にしたという訳である。

3.下絵の上にガラスを置き、構図を決めて、黒のガッシュで輪郭を描き、よく乾燥させる。

  
黒のガッシュで輪郭線を描く。

4.テレピン油9:ポピーオイル1程度の割合の溶き油を作り、紙パレットに絵の具を並べる。

 
調合したオイル。        紙パレットに油絵の具を並べて置く。

5.溶き油を油絵の具に適当に混ぜながら描いていく。このとき裏返して見ながら、描いていく。
※ガッシュの線の上にも絵の具を塗る。失敗した時はテイッシュか布でガッシュの線を消さないように拭き取る。塗り重ねは油絵の具がよく乾いてから次の色を塗るようにする。

  
ガッシュの線の上から描画。

9.絵が出来上がったらガラスと同じ大きさのベニヤ板の上に、絵の具を塗った面を内側にして置き、まわりをマスキングテープで固定する。このとき、絵の具が乾燥していない場合ベニヤ板に絵の具がはりつくので、そのまま、はがさないようにする。これをサムホール大の額縁に入れて完成。
 第三日目と四日目は、はじめにスライドを使って、ガラス絵の歴史の話を交えながら、世界のガラス絵の作例、講師の作品などを紹介した後、自画像および自由作品の制作をして完成させた。(久慈伸一)

*児玉房子さんの作品は「天ヶ森ガラス絵館」でご覧になれます。
 4月20日~11月10日(金、土、日、月)10:00~16:00 開館
 岩手県遠野市附馬牛町下附馬牛大袋4-122-3  Tel:0198-69-8766

   
   
   
  
  
 
 











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